12人の怒れる男

十二人の怒れる男」ロシア版リメイク。

ロシアを舞台にしたことで、新たな視点を据えることが出来ている。
現代ロシアの抱える価値観の混乱、多民族国家の偏見、明るさを見出せない歴史の残酷性。。。
それが21世紀のリメイクというものだろう。

オリジナル作でヘンリー・フォンダが演じた主人公ほどの正義感はない男。その男の異議で動き出す物語。
議論のなかで各が告白する思想、生活のリアル、偏見。表面では自由主義体制になったロシアで、経済至上の風潮が跋扈するあまりモラルを失ってしまった人々。変わらない怠惰。問題意識の包含が見ごたえを与えている。

かつて三谷幸喜はコメディとしてリメイクした。
時代、場所、環境の設定により、さまざまに変貌させられる原作なのだな。
根幹、骨子がしっかりしている作品は、いかにいじれど魅力を失わない。