ケンタとジュンとカヨちゃんの国

これまた重い映画だ。
ここ3作、そんな作品にぶつかってるというか、選んでいるというか。

いろいろな面で、よくここまで映像化できたなあと思わされた。

浮上しようと頑張っても何かに阻害される下層の人々の現実、
人は下を見ることで心に安らぎを得る、それを描いてる、
といったら、「ふざけんなよ」と物を投げられてしまいそうだが、そこを描いた映画なのだと思う。
自分を不細工と自覚していてだから寝て安らぎを得るカヨちゃんも
世にたくさん存在している人間の一例でしょ。

現実社会で、派遣切りとか失業とか孤独死とか弱者切り捨てとかいろんな問題があるけれど、
そこをどうしようもない現実も事実としてある。
さて、それにどう立ち向かうんですか?
分かんねーよ。どうしたらいいんだよ。そんな映画じゃないのかな。

つまりは、成長軌道を描くなくなった日本の、努力してもどうにもならないという現実の姿。
それをひとつの絵にした映画だと、思う。